「満足を探しまわるな。むしろ常にすべてのなかに満足を発見するように心がけるがよい。(ジョン・ラスキン)」(『文読む月日(上)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯幸せになりたいのなら,大きな成功を手に入れることよりも,普通の生活に,すなわち,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになることにこそ意を注ぐべきであると思います。満足を求めて様々なものを手に入れることよりも,いま持っているもので満足できるようになることにこそ,どこか遠くに幸せを探し求め,追い求めることよりも,いま自分の目の前にある幸せに気づけるようになることにこそ全力を傾注すべきであると思います。いま自分の目の前にある幸せに気づけるようになり,いま持っているもので満足できるようになり,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるならば,私たちはどのような逆境にあろうとも,人生に対する希望や人間に対する信頼を失うことなく,生きる喜びに満ちた幸せな人生を送り続けることができるのではないでしょうか。(2020年5月22日)