「強い人,智慧のある人に力や智慧が与えられているのは,弱者を迫害するためでなく,彼らを助け,彼らを守ってやるためである。(ジョン・ラスキン)」(『文読む月日(上)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯私たちの人生は,数知れぬ他者の支援や協力があってこそ成り立っているのであり,そもそも私たちと他者は一体なのですから(私たちは人類というシステムの一部分なのですから),他者と仲良く助け合い,幸せを分かち合って生きるのが,人間としての自然な生き方であると思います。特に,たまたま恵まれた境遇に生まれ育った幸運な人間が,たまたま恵まれない境遇に生まれ育った不運な人たちのために支援したり,協力したりすることは,人間として当たり前のことであり,けっして自慢するようなことではなく,むしろ多少の負い目を感じながら行うべきことなのではないでしょうか。(2020年5月7日)