実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

【実り多い幸せな人生に関する名言 45】

「大方の人間が動物と違うのは,満ち足りることを知らず,次々に欲望を膨らませようとするところにある。・・・市場経済原理が万能の昨今では,「経済成長」の掛け声の下,人為的に夢を掻きたて欲望を膨らませる技術も,凄まじい発達を遂げた。」(「日々是好日」(『文藝春秋 新幸福論 本当の幸せとは?』所収),小平桂一,文藝春秋

 

◯欲望は生の証(あか)しであり,それを満たそうとすることは生物にとって自然なことです。しかし,人間の欲望は,必ずしも本能に基づくものではないだけに,放っておけば際限なく肥大化しがちであり,肥大化に意識的に歯止めを掛けなければ,満ち足りるということができなくなってしまいます。そして,挙げ句の果てには,不平不満ばかりを募らせては自分は不幸であると思い込むようになり,他者を妬んだり,他者を恨んだり,不運を嘆いたり,運命を呪ったりするようになってしまいがちです。経済成長というものが人間の欲望を肥大化させること抜きには不可能なものであるとしたら,私たちは経済成長を手に入れるために自分たちが幸せであることを犠牲にしていることになります。経済成長というものは,本当に私たちが幸せであることを犠牲にしてまで手に入れる価値のあるものなのでしょうか。(2020年4月4日)