「人は自分で自分の体を持ち上げることができないように,自分を褒(ほ)めることで評判を高めることもできない。むしろ反対に,自分で自分を褒め上げれば褒め上げるほど,人々の評価は下がるものである。」(『文読む月日(上)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯自慢する人間は慢心しているのであり,慢心し,成長・向上することをやめてしまった人間が世間から評価されるわけがありません。他方,自慢することなく,謙虚に学ぶ姿勢を常に保って成長・向上し続ける人間は世間から評価されることが多いと思いますが,そのような人たちは世間の評価をあまり気にしないのかもしれません。世間の評価はあくまでも結果として後からついてくるものであり,世間から評価されたからといって人生がより良いものになるとは限らないのですから,世間の評価など気にせず,自分が本当にやりたいことに巡り合い,自分が信じる理想に向かって成長・向上し続けることにこそ関心を払い,力を注ぐべきであると思います。(2020年4月1日)