「富める者は天国に入りがたし,富める者の神の国に入るよりも,ラクダの針の穴を通るは易(やす)し。(マタイ伝)」(『文読む月日(上)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯財産に執着し,多くの財産を持っている人間は,さらに多くの財産を欲しがるだけであり,満ち足りるということを知らず,いつまでたっても心は貧しいままである。心豊かな人生を送るためには,足るを知らなければならず,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに対する感動や感謝の気持ちを思い出すとともに,どのようにすれば人間は幸せであることができるのかということを真剣に考え直すことにより,財産などに対する執着から解放される必要があるのではないだろうか。(2020年3月16日)