「人は真実が非常に単純なものであることをおもしろく思わないが,その真実が実際に自分の役に立つようにするためには,まだたっぷり苦労しなければならないことをよくよく考えてみるべきであろう。」(『ゲーテ全集 13 エッセイ』,岩崎英二郎・関楠生訳,潮出版社)
◯ことわざのように,真実はとてもシンプルであり,誰もが知っていることばかりであるが,それを身につけ,実際に生かすことができるのは,ごくわずかな人間だけである。ほとんどの人間は,シンプルさゆえに真実を軽んじ,真剣に身につけようとさえせず,多くの困難や苦労を経験した末にやっとのことでその真実を得心するに至る。(2020年2月21日)