「人々が夢中になって騒ぐもの,それを手に入れるために躍起になって奔走(ほんそう)するもの---そうしたものは,彼らになんらの幸福ももたらさない。・・・心の平安は,いたずらなる欲望の充足によって生ずるものではなく,反対にそうした欲望の棄却によって生ずるものである。(エピクテトス)」(『文読む月日(上)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯財産や地位や名声に執着している限り,幸せになることはできない。感謝する気持ちを思い出すことで足るを知り,財産や地位や名声に対する執着を捨ててこそ,私たちの心は平安を取り戻し,いま目の前にある幸せに気づくことが可能になるのである。社会(大人たち)が,感謝して足るを知ることよりも,財産や地位や名声を得ることを高く評価し続ける限り,人々(子供たち)が心の平安を保つことは難しく,人々(子供たち)が幸せになることは険しい道であり続けるのだろう。(2020年1月11日)