「怒りにより,他者を非難し,低めることで,感情のシーソー上であなたは上になります。怒りは,本当は自分の弱さをなんとかカバーしようとしているか,幼稚なかんしゃくを起こしているだけなのですが,あなたは自分に力があると感じてしまいます。」(『現実は厳しい でも幸せにはなれる』,アルバートエリス,齊藤勇訳,文響社)
◯不幸な人間は,幸せそうな他者を非難し,見下し,軽んじることによって,内面の不満や恨みを晴らし,自らの不幸を紛らわせようとする。しかし,そのようなことで内面の不満や恨みが根本的に解消されるはずもなく,自らが幸せになれるわけでもない。むしろ,そのようなことでしかプライドを維持できない自分自身が惨めになり,また,他者に対して心を閉ざしてしまうなど,世の中を肯定することが難しくなる分,不幸な状況から抜け出すことがますます困難になってしまう。(2020年1月6日)