「もし人の悪口が言いたかったら,陰口(かげぐち)ではなく,その人の目の前でいうがよい。そしてその際,相手に悪感情を起こさせないように言うがよい。」(『文読む月日(下)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯「物は言いよう」である。大切なのは,何を言うかではなく,どう言うかである。自分の言葉を相手の心に本当に届けたいと思うのであれば,口の利き方,物の言い方に細心の注意を払うべきである。どれだけ正しいことを言ったとしても,自分だけが正しく,周りはみんな間違っていると決め付けるような口の利き方では,その言葉は誰の心にも届かず,反発を生むだけである。(2019年10月24日)