「人というものは身を簡素に持して,豪奢(ごうしゃ)を退け,財貨を蓄えず,俗世の名利(みょうり)を求めることをしないのがよい。昔から賢人にして富貴という人はまれである。」(『徒然草(日本文学全集07所収)』,内田樹訳,河出書房新社)
◯人間が幸せであるためには,すなわち,いま目の前にある小さな幸せを感じ取れるようになるためには,できる限り簡素で無欲な生き方を自ら選択することによって,欲望の肥大化を抑える必要があるが,このことは賢者にとっては自明のことであるに違いない。(2019年7月25日)