「死を自覚し,死をすぐそこに控えて,今ここに自分が生きていることを摑むこと,それが幸福なのだ。・・・死をつねに自覚していないかぎり,真の生の把握,いのちのよろこびはありえないのだ。」(「存命のよろこび」(『文藝春秋 新幸福論 本当の幸せとは?』所収),中野孝次,文藝春秋)
◯確かに,死というものが存在しなかったら,生きている喜びはもっとぼんやりしたものとなり,幸せを感じる機会も少なくなってしまうような気がする。人間は死と引き換えに,生きる喜びや幸せというものを手に入れたのかもしれない。ならば,生きている限りは,精一杯喜びを感じ,幸せでありたい。(2019年6月28日)