「近ごろは朝ベッドで目覚めて,どこも痛くないとそれだけで幸せだと感じて,そのことを詩の題材にしたりする。老いると生きていることに対して謙虚になるな。これは老いの長所のひとつなのかもしれない。」(『幸せについて』,谷川俊太郎,ナナロク社)
◯幸せを感じ取る感度は,老いるに従って自然に上がってくるのかもしれない。確かに,心穏やかで幸せそうな老人はたくさんいる。人生は自分の思い通りになるものではないという事実を,素直に受け入れられるようになり,欲望の肥大化が抑えられるためだろうか。(2019年6月6日)