「世にはわれわれの力の及ぶものと,及ばないものとがある。・・・きみが真に自分の所有するものを自分のものと思い,他人のものを他人のものと認めるならば,だれもきみを強制したり,妨害したりはしないであろう。」(『幸福論(第一部)』,ヒルティ,草間平作訳,岩波書店)
◯本来は自分の力の及ばないものを自分の力の及ぶものと勘違いている限り,どんな努力も徒労に終わる可能性が高く,最終的には自分を憐れみ,世の中(他人)を恨む結果になりかねない。他人を自分の思い通りに支配することなどできるはずもなく,そのことを正しく認識し,自分自身を自制できるようになることにこそ時間と労力を費やすべきである。(2019年5月29日)