「みどり児はべつにそばにだれが見ていなくとも,そしてとくにこれというきっかけがなくとも,うれしくてたまらなそうに,歌のようなものをさえずり,手足をばたばたさせ,ひとりで笑っている。ただ生きていることがたのしくてたまらないから声をあげて笑っているようにみえる。」(『生きがいについて 神谷美恵子コレクション』,みすず書房)
◯この世に生まれてこられたことも,いま現に生き続けていられることも,客観的に見れば奇跡である。ただ生きていることに喜びを感じ,幸せを感じられるような無欲な人間に戻りたい。少なくとも人生のスタートは,誰にとっても無条件に幸せなものであったことを,折に触れて思い出したい。(2019年5月22日)