「幸福というのを,お金に代表される,職業,暮らしぶり,外から見てわかる形のことだと思うことで,人は間違える。どんな職業,どんな生活,どんな暮らしをしていても,その人の心が幸福でないなら,そんなものは幸福ではないということに気がつかないんだ。でも,幸福であるとは,心が幸福であるということ以外ではあり得ない。」(『14歳の君へ』,池田晶子,毎日新聞出版)
◯幸せであるというのは,心が幸せであるということである。では,心が幸せであるというのは,どういうことか。たくさんのお金を手に入れることで心が幸せになる人もいるかもしれないが,たくさんのお金を手に入れても心は幸せではないという人もいるに違いない。心というものは,本来はお金とは何の関係もなく,生まれつき幸せなものなのではないだろうか。何らかの理由で,そのようには感じられなくなってしまっているだけなのではないだろうか。(2019年5月12日)